馬刺しにおける大トロや中トロの違いとは、トロの語源も詳しく紹介

馬刺しにおける大トロや中トロの違いとは、トロの語源も詳しく紹介

馬刺しにはロース・ランプ・モモなどさまざまな部位がありますが一番の人気を誇るのは大トロです。1頭の馬から20~30kgしか取れない希少部位のため馬刺しの中でも高級な部位とされています。そこで今回の記事では大トロと中トロの違いやトロと呼ばれる理由についてまとめました。この記事を一読すれば大トロや中トロそれぞれの魅力がわかることでしょう。 

馬刺しの極み|極上大トロ
大トロといえば、そのサシの多さ。口に入れた瞬間に広がるトロットロの柔らか食感がもうたまりません。とろけるような食感と噛めば噛むほど溢れ出る旨み、そしてサラッとした口溶けに感動を覚えるほどの絶品です。
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そもそもトロにはどんな意味がある? 

馬肉だけではなくマグロ・サーモン・牛肉・豚肉などのさまざまな肉や魚でトロという表現が使われています。はたして「トロ」という言葉にはどういった意味があるのでしょうか。ここで詳しく解説していきましょう。 

もともとの語源はマグロから 

トロのもともとの語源はマグロです。マグロは古くから日本人に親しまれている魚で現存する日本最古の歴史書である古事記にもマグロに関する表記があります。神武天皇の7代先祖とされるイザナギの体がマグロの脂身のようであると記載されているのです。 

マグロの脂肪分のことをトロと呼ぶようになったのは大正時代です。それ以前はマグロの脂身なのでアブと呼ばれており、アブよりも赤身の方が上等の部位と考えられていました。赤身が上等とされていたのはトロよりも劣化しにくいからです。また当時の日本人はスッキリとした味を好んでいたことや赤身のようにヅケとして保存しにくかったという理由もあります。 

現在では動物性の脂肪を食べるようになり、マグロについても赤身よりもトロが上等であると考えるようになりました。とくに明治時代に入ってからは西洋料理を味わう機会が増えるようになり油脂を多く用いた料理を好むようになったといわれています。なお日本では脂の乗った食材を好む傾向がありますが海外では脂の部分を廃棄する傾向にあります。外国人によってはカルチャーショックを受ける場合もあるようです。 

トロサーモンやトロカツオとは? 

最近ではマグロだけではなくサーモンやカツオについてもトロという表現が使われるようになりました。ただしサーモンにおいてトロの厳密な定義はありません。一般的にはサーモンの腹側の最下部にあたる部分のことをトロサーモンとよんでいます。 

トロサーモンはサーモンよりも脂が乗っており口のなかで脂がフワッととろけるような感覚を楽しめます。焼き目のついたあぶりトロサーモンなら濃厚なうま味も楽しめることでしょう。なおトロサーモンと呼ばれる部分はサーモンの3~5%ほどしかないので貴重な部位といえます。 

一方でトロカツオとは脂が乗っている戻りカツオのことです。カツオには年に2回の旬があり季節に応じて初カツオや戻りカツオと呼ばれています。イワシを食べ続けて育った戻りカツオは脂を蓄えており、マグロの中トロのような濃厚な味わいを楽しめるのです。 

肉におけるトロとは? 

最近ではマグロをはじめとした魚類だけではなく肉類についてもトロという表現を使うようになりました。豚肉の場合、頬から肩の部分の肉のことを豚トロと呼びます。牛肉についても肩甲骨から手首までの部分の肉のことをミスジといいますがやわらかな食感とほどよい脂身から肉の大トロと呼ばれているのです。 

馬肉についてもトロと呼ばれる部分があります。馬肉には赤身の部分を指すロース・たてがみが生えている部分の肉を指すタテガミ、肋骨にある肉のことを指すフタエゴ・ネックよりも下にある馬の前脚の付け根を指すブリスケ、馬の太ももにある部分の肉を指すモモ・馬の後ろ脚の部分にあるスネなどの肉があります。トロはほかの部位よりも脂が乗っておりとろけるような味を楽しめることでしょう。 

大トロと中トロの違い 

トロには大きくわけて2種類があるのです。脂身が乗った部分なのですべて同じと考える方もいますが見た目や食感は異なるので注意しましょう。ここでは大トロと中トロの違いについて詳しく解説していきましょう。 

マグロにおける大トロと中トロの違い 

大や中と表記しますがサイズのことではありません。マグロの肉のなかのほとんどを占めるのは赤身であり、大トロや中トロの部分はわずかです。大トロや中トロとはサイズではなく脂の含有量や部位のグレードのことを指しています。 

マグロにおける大トロとは腹の部分のことです。「腹なか」「腹しも」と呼ばれる部分のことを指していますが、一般的には脂の乗り具合をみて大トロと中トロをわけています。濃厚な脂のうま味を感じられるのが特徴です。 

一方で中トロは「腹なか」「腹しも」だけではなく「背かみ」「背なか」「背しも」と呼ばれる部分からも取れます。酸味が少なくしっかりとした脂のうま味を感じられるのが特徴です。また中トロの場合は赤身とトロがミックスされていることがあります。板前の腕によって中トロの味が左右されやすいといえるでしょう。 

馬肉における大トロと中トロの違い 

馬肉における大トロとは三角バラとオビの部分にある肉のことです。馬の腹部から下腹部にある肉のことですが1頭の馬からわずかしか取れず希少性が高いという特徴をもっています。 

三角バラやオビにはサシがあり白い脂肪が網の目のように入っています。サシが入っていることでやわらかいとろけるような食感を楽しめることでしょう。また肉のもつ甘みを口のなかで感じられます。豚肉や牛肉の場合は44~55℃で脂が溶けはじめますが、馬肉の場合は融点が低いので30~32℃で溶けはじめます。そのため口のなかに入れた瞬間に馬肉のジューシーさが広がっていくことでしょう。 

馬刺しの極み|極上大トロ
大トロといえば、そのサシの多さ。口に入れた瞬間に広がるトロットロの柔らか食感がもうたまりません。とろけるような食感と噛めば噛むほど溢れ出る旨み、そしてサラッとした口溶けに感動を覚えるほどの絶品です。
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一方で中トロとは馬のバラや肩ロースの部分のことです。中トロも大トロと同じように1頭から取れる部分は限られておりほかの部位に比べると高価といえます。馬肉は桜肉とも呼ばれておりピンク色の鮮やかな色が特徴ですが、中トロはピンク色をした赤身とはまったく違った味わいとなっているのです。 

大トロの方が希少性は高い 

大トロも中トロもほかの部位と比較すると希少性は高めですが、大トロと中トロを比べた場合大トロの方が厳選された一部の部位のみを使っているので希少性があります。馬肉専門店は全国にありますが大トロを扱っている店はわずかといえるでしょう。 

トロと聞くと、お寿司のイメージが強い方も多いと思いますが、最近では肉類もトロという表現を使うようになりました。
大トロは中トロよりも高級品で値段は高めです。そのためランキングでも上位に入るほどの人気商品となっています。
馬肉を部位ごとに分けた時に背中付近にトロがあり、大トロは1頭からとれる量は僅かです。
魚類に豊富に含まれるDHAやEPAですが、 馬肉にもαリノレン酸が豊富で、必要に応じて体内でDHAやEPAに変換されます。

大トロの馬刺しの味とは? 

大トロの馬刺しの魅力は滑らかな食感とうま味のバランスです。赤身と脂身が絡み合っており赤身の甘みと脂身のとろけるような感覚を同時に楽しめることでしょう。絶妙なバランスのため1度味わってしまうとほかの部位が食べられなくなってしまうとまでいわれています。はじめて馬刺しを味わうときはほかの部位を味わってから食べるのがよいでしょう。 

中トロの馬刺しの味とは? 

中トロの馬刺しの魅力はサシです。赤身のなかに白い線が通っており見た目にも美しいうえにサシは見た目だけではなくうま味があふれています。 

中トロの馬刺しを口に入れるととろけるような感覚を楽しめることでしょう。サシが融点に達したときに口の中で広がるためほかの部位では味わえないうま味を感じられるのです。脂身と聞くとこってりとした感覚をイメージする方もいますが、中トロの馬刺しは後味がさっぱりとしており何枚でも食べられることでしょう。 

まとめ 

トロの語源はマグロです。トロという表現はほかの食材にも使われるようになり現在では馬肉でも大トロや中トロという表現が使われています。大トロとは三角バラやオビにあたる部分、中トロはバラや肩ロースの部分のことです。どちらも希少性がありますが大トロの方が希少価値は高めです。 

大トロは赤身の甘みと脂身のとろけるような感覚を同時に楽しめますし、中トロはとろけるような感覚を楽しめるでしょう。大トロや中トロを味わうときはほかの部位から味わうのがおすすめです。はじめに大トロや中トロを味わってしまうとほかの部位では物足りなくなる場合もあります。たてがみやモモなどほかの部位と比較しながらぜひとも馬刺しを楽しんでいきましょう。 

馬刺しの極み|極上大トロ
大トロといえば、そのサシの多さ。口に入れた瞬間に広がるトロットロの柔らか食感がもうたまりません。とろけるような食感と噛めば噛むほど溢れ出る旨み、そしてサラッとした口溶けに感動を覚えるほどの絶品です。
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