生レバーを美味しく安全に楽しむ方法。それは馬レバー!

馬刺しの生レバーがどうしても食べたい!安全&合法的に食べられる方法はあるの?

 

生レバーはほかの部位や食べ方では味わえないほのかな甘みとなめらかな口当たりが魅力です。さらに独特の風味は少なく「焼いたレバーは苦手だけれど生レバーは好き」という方もいるほど根強い人気があります。しかし最近はお店で、ほとんどみかけません。 

メニューに並ぶレバーはたいてい炙ったり焼いたりしたものばかりです。 

「串焼きもおいしいけどそれよりも生のレバーが食べたいのに」とがっかりした経験はないでしょうか。今回は生レバーをお店で注文できなくなってしまった理由と食べられる方法についてご紹介していきましょう。 

馬刺しの極み|馬レバ刺し
馬レバ刺しは、絹のようになめらかな舌触りが魅力。そして噛んだ瞬間、プリップリコリッコリの食感がきて、最後は濃厚な深いコクが口の中でとろけるのです。まさに一度食べたらやみつき必至の大人気商品です。
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レアな存在となった生レバーを食べる方法とは 

生レバーはなかなかお店でもみかけず希少な存在といえるでしょう。あまりにみかけないため生レバーは食べられなくなったのかと思っている方もいるかもしれません。以下から稀少な生レバーを食べる方法について詳しくみていきましょう。 

生レバーって今でも食べられるの? 

結論からいうと生レバーを食べることは可能です。ただし食べてもよい肉の種類は法律によって制限があります。とくに牛と豚の生レバーは「レバ刺し」としてお店でそのまま提供できません。現在ほとんどの生レバーは加熱調理することを前提として販売されています。実際にスーパーやネット通販、焼肉店などで販売・提供されているレバーには「かならず中心部までしっかり加熱して食べてください」「生食用ではありません」と明記してあることがほとんどです。 

生レバーの規制がはじまったのは2012年のこととなります。食品衛生法によって牛レバーを生食用として販売することが禁止されました。その代わりとして提供されるようになった豚の生レバーも2015年から提供を禁止されています。 

もし食品衛生法に違反してレバ刺しを提供した場合、飲食店などには「罰金200万円」「懲役2年以下」もしくはその両方を課せられます。実際に経営者が逮捕された事例も少なからずあり生レバー規制の動きは年々強まっているようです。 

それでもやはり生レバーを食べたい方は多いことでしょう。お店もなんとか提供できる方法を探していて最近は「低温調理のレバー」が少しずつ広まっています。できるだけ加える熱を少なくし生の味と食感にかぎりなく近づけたレバーです。しかしどれほどおいしくても少しでも加熱してある以上もはやレバ刺しとは別物でしょう。 

「もう生レバーは諦めるしかないのか」とくじけそうになった方に朗報です。実は今もお店で食べられる本物の生レバー情報があります。 

「馬レバー」なら生で食べられる!  

馬レバーは厚生労働省の生食用食肉の衛生基準ガイドラインに基づき、現在もお店で問題なく提供できる貴重な生レバーです。普段食べることが少なくあまりなじみがない馬肉ですが意外にも食べやすいと評判です。ごま油や塩などシンプルな味付けでも十分おいしいほど濃厚な味わいとなっています。 

それでいて牛や豚よりもレバー独特の臭みが少なくあっさりと食べられます。ほかの生レバーとまた違うコリコリ・プリプリとした歯ごたえのある食感にやみつきになってしまう方も多くいらっしゃいます。濃い肉の味をしっかりと堪能でき、クセが少なく食べやすいところが馬レバーの魅力です。 

ところでなぜ牛と豚は生レバーを気軽に食べられなくなったのか、気になるかもしれません。とくに牛は刺身やユッケ・肉寿司などほかの生肉料理は今もお店でみかけます。どうしてレバーだけ生のまま食べられないのでしょうか。以下より詳しく解説していきましょう。 

牛、豚のレバ刺しが禁止になった理由  

お店で牛や豚の生レバーを提供することが禁止になったのは2011年に起きた集団食中毒事件がきっかけです。ある焼肉店で牛のユッケと生レバーを食べたことにより約180名が「腸管出血性大腸菌O111(O157など)」に感染しました。激しい下痢やおう吐に苦しみさらに死者が5名も出てしまうほどの痛ましい事件でした。 

この事件をうけて厚生労働省は食品衛生法の一部をあらためることになったのです。お店が生肉料理を安全に提供するためのルールを見なおしました。そこで新たに定められたのが「生食用食肉の規格基準」です。この基準によって生肉を提供するための厳しい条件が決まり「牛の生レバー」と「豚の生肉・生レバー」の提供は禁止されることになりました。ネットで検索するとわかるのですがユッケと違い生レバーには食中毒を予防できる加工・調理の方法がみつからなかったためです。 

牛や豚の生レバーはもうお店で食べられないの? 

牛や豚のレバーはどれほど品質や鮮度がよいものでもかならず細菌が存在しています。細菌は熱に弱いため、しっかり火を通すことが最も確実な食中毒対策です。つまり肉を生で食べるには加熱に代わる対策をする必要があります。 

ユッケに使用する赤身肉は解体作業のとき手や器具が触れることによって腸にいる細菌(O157など)がうつってしまいます。しかし表面には細菌がついているものの、内部までは細菌が届いていません。肉の表面だけを削ぎ落とせば、生で食べられます。一方レバーの場合はもともと表面から内部まで細菌が入り込んでいます。結果として表面を処理しただけでは食中毒感染のリスクを抑えられません。 

さらに牛肉だけでなく豚や鶏肉にも「カンピロバクター属菌」「サルモネラ属菌」などの食中毒原因菌が存在しています。このふたつは健康な人であれば比較的軽い症状しかひき起こさない食中毒菌です。しかし子どもや高齢者など体力が弱い方は重症化しやすく豚や鶏の生レバーも危険であることに変わりありません。 

レバーによる食中毒を防ぐにはやはり加熱するしかないため生肉調理の設備関連や資格者がそろったお店であっても生のまま提供することは事実上不可能です。 

お店がダメなら、自宅では食べてもいいの? 

それでも「お店で購入した生レバーをそのまま食べてもよいのでは」と思ってしまう方もいるかもしれません。たしかに現在の食品衛生法では提供する側のみが対象です。もし自分の判断で食べたとしても罰せられることはありません。しかし食べた場合のリスクが大きすぎるためたとえ自己責任であっても牛・豚の生レバーを食べることはやめましょう。 

細菌が体内に入ってしまうと10個以下のわずかな数でも食中毒をひき起こす可能性があります。とくに牛レバーに多く存在する「腸管出血性大腸菌(O157)」は非常に強い感染力をもちます。重症化しやすいうえ人から人へうつる2次感染の危険性についてのレビューも散見されます。 

これまでにも消毒薬や放射能照射で殺菌するなど農林水産省がさまざまな対策を検討しています。しかしいまだに効果的な方法は認められていません。レバーの専門知識や加工技術が豊富なプロがどれほどに手をつくしても内部までは完全に殺菌できませんでした。たとえ解体されて間もない新鮮なものであっても食べるのはあまりにも危険です。 

食中毒は最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。安全に食べられる方法がみつかるまでは牛や豚の生レバーを食べることは避けるべきでしょう。 

馬の生レバーが安全とされる理由 

上記のとおり馬の生レバーは禁止されていません。その理由は体内に食中毒の原因菌を一切もたないためです。馬はほかの家畜と比べて体温が高く熱に弱い細菌は生きられません。そのため食中毒に感染する危険性がほとんどないのです。 

もちろん馬刺しにも「生食用食肉の規格基準」があります。牛のユッケと同じく販売するには「生肉の加工・調理専用の設備を確保すること」「適切な温度のもとでの徹底管理すること」など細かい条件を満たさなければなりません。そして保健所の調査に合格することも必要です。 

馬肉は国から安全性を高く評価されており「合法的かつ食中毒を心配せず食べられる生レバー」と考えてよいでしょう。 

馬レバ刺しにはうれしい効果がたくさん! 

馬レバーは食中毒の心配がないだけではなく非常に栄養価が高い食材です。もともと健康食材といわれるレバーのなかでもより優れた栄養素がいくつもあります。 

鉄分

レバーのなかでも馬はとくに含有量が多く牛や豚と比べて3倍近くの差があります。血液に欠かせない大切な成分ですが普段の食事ではどうしても不足しがちです。鉄分はタンパク質と一緒に摂ると吸収がよいため高タンパク質な馬レバーはまさに理想的な食材といえます。貧血になりやすい女性だけでなく、立ちくらみや疲れやすさに悩んでいる方にも積極的に摂ってほしい成分です。 

ただし妊娠中の方はレバーに限らず生の食べものは避けるべきとされています。比較的安全性が高い馬レバーではありますが万が一のことを考えると食べない方がよいでしょう。 

グリコーゲン

私たちの体は食べものから摂取した糖をエネルギーとして消費しています。糖質のひとつであるグリコーゲンは脳や体の疲れを回復させ血糖値を正常に保つはたらきがあります。また、ため込むことなく優先的に消費されていくためほかの糖質より脂肪になりにくいのもうれしいポイントです。 

馬レバーはほかよりもケタ違いの量のグリコーゲンを含んでいて肉の中ではトップクラスとなっています。カロリーや脂質も低いためダイエットやトレーニング中の方にはとくにおすすめです。 

ビタミンA、ビタミンB2

生レバーを食べるときはやはりお酒が欠かせませんよね。馬のレバーには「ビタミンA」「ビタミンB2」も豊富に含まれていて肝臓がアルコールを代謝するためのはたらきを助けてくれます。まさにおつまみにはピッタリです。またビタミン類は健康な皮膚や粘膜・血管を作るはたらきもあるので美肌にも効果的です。 

まとめ 

今ではめったにみかけなくなってしまった生レバーですが馬レバ刺しなら自宅でもお店でも食べられます。ほかの生レバーを食べ慣れている方からすると最初は食べたときの違いに驚くかもしれません。またご経験のない方もちょっとだけでも良いのでお試しください。その濃い味わいとプリプリ、コリコリとした食感は一度食べるとハマってしまうこと間違いなしです。「どうしても生レバーが食べたい」と思ったら安心安全で、しかも栄養価も高い馬レバ刺しをぜひ試してみてください。貴殿の食を楽しむ時間が豊かになりますことを期待し執筆させていただきました。長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

馬刺しの極み|馬レバ刺し
馬レバ刺しは、絹のようになめらかな舌触りが魅力。そして噛んだ瞬間、プリップリコリッコリの食感がきて、最後は濃厚な深いコクが口の中でとろけるのです。まさに一度食べたらやみつき必至の大人気商品です。
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